山葡萄

NATIVE VILLAGE

山の恵みと葡萄の蔓。

霧の立ち込める深い山々。

自然の厳しさがそこにある。

新参者はおそらく、受け入れてもらえないであろう。

動物の足跡はそこかしこに。

いつ遭遇してもおかしくはない。

霧が晴れ、木々の隙間から日差しが見え隠れしている。

朝露を受けた葉が艶やかさを増して、見惚れるほどの輝きを放っていた。

『さてと。』

沢を登るように歩きはじめると、間もなくお目当てのぶどうの蔓に出くわす。『良い頃合いだな。』

斧で切り取り、丁寧に束ねていく。

次に作る籠に思いを馳せて。

天然のぶどうの蔓は、山へ分け入って、取ってこなくてはならない。

年々と人口の高年齢化が進む日本では、なかなか、この作業を行える者が少なくなってきているのが現状である。

取れる場所、時期により、素材の良し悪しも決まってくるため 骨の折れる仕事である。

それだから、出来上がった時の喜びと達成感は一入。

大切に使ってもらいたい、昔ながらの良き籠である。